カテゴリー別アーカイブ: 留学の路コラム

エッセイ準備に向け vol.1

暑い日々が続くものの、季節は残暑へと移り進んでいます。1st Roundに向けて準備を進めている受験生は仕上げ作業の段階へと移行しているのではないでしょうか。

そうした一方で2nd Roundに向けたアプリカントは、書類作成準備にも時間を注いでいく時期になります。そうした書類の中心を成すのが”Essay”ですね。これまでに公開されているエッセイ課題を見る限り、主にCareer (Vision)型、Leadership型、そしてPersonality型の三タイプに分類されていることを認識しているのではないでしょうか。その中でも軸となるCareer (Vision)型エッセイについて考えていきましょう。

まずこのタイプのEssayを考えるにあたり、自らの短期的・長期的目標をコンテンツの中心としますが、『目標に背景』、『具体性』、『現実性』を読み取らせなければなりません。審査官の眼に止まるエッセイを書き上げるためには、短期と長期の目標その目標を持つ背景や動機、その(目標達成に向けた)計画を裏付けるその分野での過去の成功経験、そしてMBA取得で携わる仕事を通して生み出すインパクトに関する情報も大切です。

こうしてエッセイ用コンテンツを考えてみますと、入学審査官は、アプリカントがそのプログラムの特徴(教育リソース)をどう有効的に使うかを明確に示すことを求めています。

MBA取得は『A社』で働きたいというような漠然とした目標は避けていきましょう。『A社』に入社し、担うであろう役割(ポジション)、その役割の中で何を実践しいくのか語ることで、同社でが最適なキャリア上の選択肢であることが伝わりやすくなりますね。

レジュメ作成における注意事項 Vol.2

日本各地でも梅雨入りが発表される時期に差し掛かる中、ビジネススクールでは新たな出願要項の発表がされています。2023-24年シーズンは、GMAT, GREに加え、TOEFLの変更に加え、新たな審査用サイクル(Early Roundの廃止)がColumbiaでは導入されるなど、既に様々な変更点が生じています。

そして、今月における相談案件では、レジュメ(CV)の作成に関する相談が少しずつ増えてきています。エッセイ課題を発表している学校もありますので、この時期からは出願書類の作り込みに対して徐々にアプリカントの意識が高まってくる時期かと思います。そうした中、レジュメ(CV)を作成する時の注意事項、特に職業経験上において異文化に触れた経験(実績)は差別化要因になります。海外プロジェクトチーム内での役割と直面していた出来事に対してどう対応したか(Action/Power Verbを用いて)をしっかりと表現しましょう。そして、成果について言及することも忘れないでください。実践的なコミュニケーション力をアピールするならば、相手方の交渉の場で活躍する自分像、多国籍のメンバーを率いた経験など、実績を通してアピールする要点を明確にした上で内容を推敲していきましょう。同様に、海外留学についても触れることをおすすめします。現地において課外活動に携った経験などは、アプリカントの積極的な姿勢もさることながら、現地コミュニティーへの貢献度に対するアピール材料となります。また、卒業後のキャリア選択と関連するインターンシップ経験も、記載する価値があるかもしれませんね。

相談に来られる方々のお話を聴いていますと、それそれが、さまざまなリーダーシップの経験をお持ちです。そうした経験(実績)を踏まえ、自分はどのようなキャラクターであり、どのようにキャンパス(コミュニティー内)のリーダーシップを発揮していくことになるかを想像した上でレジュメ(CV)の作成に着手してはいかがでしょうか? このレジュメ(CV)の約70%は職業実績で埋め尽くされますが、入学審査委員会のメンバーは、教室外の時間にキャンパス(コミュニティー)でどのような活動に携わるのかを判断するために、残り30%の部分(学生時代の経験や課外活動)も見ていることを念頭に置いてください。

レジュメ作成における注意事項 Vol.1

大型連休も終わり、普段の生活リズムへと戻りつつある中、ここ最近相談を受ける回数が増えているレジュメについて述べたいと思います。今年3月の投稿の際にもレジュメ作成に関する情報を共有しましたが、せっかくの機会ですので、この場を借りてその作成プロセスを一緒に考えていきましょう。ご存知の通り、「MBA出願用レジュメ」は「転職用レジュメ」とは異なり、特定の仕事に必要な資質、専門的なスキルや知識を有することは問われていません。入学審査官が最初に読むであろう出願書類がレジュメになるケースは多く、いわばレジュメを自己紹介用のフライヤーとし的な役割を担います。このレジュメには、大学時代から現在へと至るまでのキャリアの全体(個人的な趣味や地域社会での活動も含)を1枚の長さで述べます。その全体像に関するコンテンツには、これまでに達してきた実績(学業・職業)、キャリアの進展度合いが含まれます。また、入学審査官はリーダーシップを発揮し、周囲に影響を及ぼす人材を求めているため、そうした人材に必要なスキルを持っていることを示していきましょう

そこで、まずは自分にとって印象深い仕事を思い出し、どういった結果を出したかを箇条書きでリストアップするところから始めてみませんか。自分こそが、入学者にふさわしいアプリカントであることを示すために、自らのリーダーシップとビジネスへの影響を示す具体的な業績に焦点を当てましょう。1つの表現として、以下のようなものが考えられます。この箇条書きの中で、レジュメ作成に必要なPower Verbを2回以上使うようにし、より自分の貢献度を強調していきましょう。

  • Successfully led the discussion related to short-term reforms to modify Affinity’s traditional corporate vision and core value; created a new corporate vision and 7 new innovative action plans covering organization, HR, investment, cost efficiency and business development point of views; won approval from company executives and shareholders to execute the plan

こらはあくまでも一例ですが、この箇条書き内容をより説得力のある内容へと仕上げるためも、可能であれば定量的な詳細(例:利益向上、顧客数の向上、時間数の減少、人数など)を記載する対応法もあります。これらの内容は、出願者の役割をより深く理解させ、行ったことの重要性を浮き彫りにします。そして、レジュメを作る上で注意しなければならないことは、業界の専門用語を使用しないこと。ある特定の職業では当たり前のことかもしれないことが、外部の者には理解しがたいものです。レジュメを読む入学審査官が、レジュメのどの部分にもつまずかないよう細心の注意を払っていきましょう。

学校調査と他者との差別化

5月に入り、レジュメ作成に加え出願候補校の調査を開始するアプリカントも増えています。学校調査を進める中で、「学校とのフィット感」を言葉で表現することが難しいという相談も寄せられます。そうした中、毎年毎年進学を決めた方々の言葉に「最終的には進学先と縁が合ったと感じます」というメッセージを共有いただきます。そうした方々からの口から発する「縁」は、準備中のアプリカントの立場からすれば、「それは全ての出願結果が出そろい、進学先が決まったからこそ、言えることではないか」という印象を受けると思います。しかしながら、この学校調査を進めていく中で、その学校が最も重視するMBA教育を提供する上で学校側の理念を理解し、学生に対して求める資質を把握した上で出願書類やインタビュー機会を活用し、合格者にふさわしい心象を入学審査官に与えていかえればなりません。実際の書類準備においては、自らの性格的特徴を他のものよりも強調することを選択し、そうした特徴を表現するため、数あるストーリーからより適したものをエッセイ用に選択していきます。他の出願者との差別化を図るためにも、自らの出願書類を戦略的に作成することが必要です。

これから学校調査はこれから開始する、という方々は以下の方法が考えられます。

・各校の公式サイト
・日本人学生のサイト
・在校生/卒業生のブログ
・審査官のブログ
・Youtube動画
・学校訪問
・在校生/卒業生との会話
・エッセイ課題分析
・過去のインタビューで聞かれた質問分析

今月に入り、2024年入学に向けた出願情報に関する発表機会が増えてくると思います。テスト対策に重点を置いてきたこれまでの出願戦略から、少しずつ書類準備に費やす時間も増えることが予想されます。少なくとも、向こう数ヶ月の間に取り組むこと、それを実行するための現実的な出願計画を策定していきましょう。

学校訪問

今シーズンのアプリカントの中にはGW期間中を利用し、出願予定校を訪問している方々もいらっしゃいます。近年ではウェビナーやYou Tube動画から多数の情報を入手可能です。しかしながら、キャンパスの「雰囲気」から、何を感じ取れるか。そのコミュニティーにはどのような人が集まり、どのようなカルチャー(例:協力的かつ協調的など)が育まれているのか、また、在校生との交流を通してスクールが掲げる価値観が伝わってくるかなどのチェックポイントがあります。もちろん、アプリカント全員が自分の出願校を訪問することは難しいと思いますが、アドバイスを送る際には、できるだけ学校訪問を出願計画に組み入れることを勧めています。帰国後は、その見聞きした色々な情報をもとにこの先の出願戦略を考え、さらには進学希望理由に関して強い説得力を持てるようサポートしていきます。

 

出願に向けた行動計画

春先の段階は目標スコアをクリアすることに注力を注いでいる方々が大多数ではないでしょうか。テスト対策のみに時間を割くのはよろしくないと頭の中では理解しつつも、自らが設定した目標スコアへ到達しなければ出願さへおぼつかないと考えてしまうことはごく自然な現象だと思います。その一方で、いつスコアがそろうか予想はできたとしても、確実にスコアを取れる保証はありません。こうしてテスト対策一点に集中する戦略は、ある種のリスクを伴うことも忘れないでください。先日(410日)実施したMBA出願準備セミナーにおいても、時間のバランス配分について説明いたしました。テスト対策と並行しつつ、キャリアの棚卸しを行う、レジュメの草案を作り始める、もしくは学校リサーチを進めるなど、時間を有効に活用すべく、自らにとって実現可能な出願用行動計画を策定していきましょう。

過去の記憶

出願作業を進める中、第一志望校への合格といった大きな目標はもちろんのこと、毎月、そして週単位といった小さな目標を設定し、それらを一つずつクリアしていかなければなりません。目標スコアの到達に区割り、MBA取得後のキャリア目標も、短期、中期、そして長期といったように考えを巡らします。そして、キャリア目標を持つにいたった経緯を説明するためには、過去の記憶を整理しておくことが必要かと思います。こうした(整理)作業を行うためにも、キャリアの棚卸、そして英文レジュメの作成作業は効果的ですね。私が教育学系大学院に留学していた当時、研究の一環で、ジャンルを問わず、「成功者」と呼ばれる方々のインタビュー記録を集め、談話分析を行ったことがあります。その当時印象に残ったことは、多くの方々過去の出来事を最近起こったことのように鮮明に思い出し、再現していた表現力と記憶力でした。そして今、私はインタビューアーのように受験生へ質問を投げかけ、答えを引き出すことを日々を行っております。この春先は、色々と言葉を選びながら自分の事について語っていた方々も、時間が進むにつれ、キャリア目標、自分にとって一皮むけた経験など、過去の出来事に対する再現力が強化されていきます。

カウンセリングを通して現時点から過去の記憶をたどっていく作業は、以前に読んだ本を数年ぶりに読み返すことで、新たな見方、解釈が生まれるといった感覚と似ているかもしれませんね。

きっかけ作り

近頃の相談案件の1つに、「出願書類を準備を始めるタイミング」が挙げられます。本日都内で開催されたQS MBAフェアに参加し、入学審査官との交流機会を持った受験生もいれば、来月にはキャンパス訪問を計画している方もいます。年度末を迎え、テスト対策以外の場における受験生の活動にも変化が見え始めております。出願書類(レジュメ、エッセイなど)のクオリティーは自らの努力次第でコントロールできる一方で、目標スコアに到達していない状況の中、書類準備を始めることに一抹の不安感を覚える方々もいると思います。そうした不安を軽減するためにも、テストを受けっぱなしにせず、受験結果を分析し、必要であれば講師に助言を求め、今後の対策を練ることも必要かもしれません。テスト対策に集中したいという受験生心理は十分に理解できるものの、全体の出願準備が遅れるといったリスクを伴うことも忘れないでください。「頭では理解しているが、なかなか書類を始めるきっかけがない・・・」という方は、MBA関連イベントへ参加する、卒業生から受験について体験談を伺ってみるなど、この先の自分の行動を後押しするきっかけを得ていきませんか? 繰り返しとなり恐縮ですが、必要以上にテスト対策に時間をかけることのないよう、出願校に関するリサーチ、書類作成、さらには面接対策に十分な時間を取っておいてください。

Resume/CVの作り込み Vol.3

前回はレジュメを作る上で欠かせないAction (Power) Verbをいくつか紹介しました。それらの動詞を使い、行動を起こすため直面していた課題(問題)について言及し、複数名のメンバーから成るチームを率いてその課題を解決したことを述べていきましょう。ここまでは、PROBLEM(課題/問題)に対して起こしたACTION(行動)を述べ、そしてRESULT (結果)を記します。Action (Power) Verbが、問題(目標)の解決に向けて活用したスキルを示すなら、結果は、自らのの影響力を示すポイントです。その影響力の重要度を読み取らせるためにも、(可能な限り)数字やパーセンテージを使って影響力を定量化(売上高の増加率、投資の増加額、労働時間の短縮など)していきましょう。また、自分の影響力を印象付けるためにも、導入したシステムが現在も使用され、持続的な利益をもたらしている事実を述べることも可能です。ここで使用するAction (Power) Verbの数は一つは限りませんので、下記の例ではLed, created, wonが挙げられます。

  • Led the discussion related to short-term reforms to modify Affinity’s traditional corporate vision and core value; created a new corporate vision and 7 new innovative action plans covering organization, HR, investment, cost efficiency and business development point of views; won approval from company executives and shareholders to execute the plan

上述のステートメントの長さについては、2から3行が目安ですが、共同作業をした部署名や関わった関係者の肩書、会社名などを言及すると3行以上になることはあります。さらなる注意点として、入学審査委員は出願者の業界に関する知識や経験がない可能性が高いため、専門用語の使用は控えていきましょう。書き上げた各ステートメントが専門外の方々にも理解できるよう、第三者の意見などを積極的に取り入れてはいかがでしょうか?

Resume/CVの作り込み Vol.2

早いもので3月になりました。まだまたテスト対策を中心に出願準備を進めているという相談も耳にしますが、私は全準備時間をテストに充てるより、10%程度の準備時間をレジュメ(Resume/CV)の作成準備に注ぐことを提案しております。

審査官はレジュメの記述内容を読み込むことで、アプリカントが成長を遂げている事実を把握していくため、1ページに集約した情報からアプリカントの経験がプログラムのアセットとなることを審査官に伝えます。そのためにも、自らが取り組んできたこと、達成したことに焦点を当てた内容に仕上げることに意識を向けていきましょう。それらの内容を書き纏める際はACTION / POWER VERB**を駆使し、可能な限りリーダーシップを発揮したことを印象づけることをお勧めします。レジュメは、PROFESSIONAL(紙面全体の約2/3のスペースを使います), EDUCATIION,そしてEXTEAC CURRICULARの各項目に分かれますが、それぞれの項目欄に記載するコンテンツは自身を際立たせる(他人との差別化)であることを忘れないでください。リストアップしたものが自分を差別化する情報として有効か否か、じっくり考えていきましょう。その差別化する方法を考えるにあたり、仕事を通して与えたインパクトが大切です。そのインパクトの内容を通じて出願者の貢献度も同時に読み取らせることができます。MBA出願用のレジュメでは、(日々の仕事に関する内容ではなく)これまでのキャリアの中のアピール度が高い実例を記述していきます。

** ACTION / POWER VERBの例:Managed, Strategized, Increased, Organized, Negotiated, Executed, Implemented, Streamlined, etc.,