下記に紹介する記事のタイトルは 、”米MBAの「威光」陰り、専門分野の修士号に人気集中“です。そして記事の最後に引用されている専門家の「ゼネラリストの養成にとどまっている」という文言からは、専門家の優位性を謳っているようにも聞こえてしまいます。ゼネラリストの養成、はたまた専門家の良し悪しではなく、私はカウンセリングを通じて、MBA教育や専門分野の修士課程における教育を通じて、個々がどのようなキャリアを作っていきたいか?という点につき、今後とも受講生の方々と向き合っていきたいと思います。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140203/amr14020321430003-n2.htm
【米東部ボストン=黒沢潤】米国でビジネスマンが高い地位や高給の職を得るのに不可欠とされるMBA(経営修士号)の“威光”に陰りが出ている。米国で今やMBA取得者は珍しくなく、以前のような高い給料は保証されていない。ビジネススクールの学費が年間約5万ドル(約510万円)に上ることもあって、半分の学費で済み、より専門分野に特化した修士号を取得しようという動きも強まっている。
米国では1990年代半ば、MBA取得者の給料は就職から5年で3倍前後に上昇するのが常だった。しかし、英紙フィナンシャル・タイムズによれば、ここ数年の昇給率は当時の半分程度まで落ちたという。
米国では現在、ビジネス・スクールが600以上もある。毎年の卒業生は約25万人に上り、ハーバード大など一部の「トップスクール」で取得したMBAを除くと、その“神通力”は薄れつつある。
世界のビジネススクールの代表者らで作る教育機関「GMAC」が2013年に行った調査によれば、「2年間コースへの米国人の志願者が前年比で増加した」と答えた米国の学校は38%にとどまった。残る62%は減少または横ばいだったとみられ、「新興国からはMBA取得を目指して留学生が米国に押し寄せている」(教育関係者)のに比べると、明らかに温度差がある。
また、ビジネススクールの学費は、05年比で約62%も上昇している。上位51校の2年間の平均学費は10万6千ドル(約1081万円)前後だ。「ハッキングされるあなたの教育」の著者、デール・スティフェンズ氏によれば、ハーバード大では関連出費を含め約17万4400ドル(約1778万円)の支出を余儀なくされた例もあった。卒業した後も多額の奨学金の返済にあえぐ人々も多く、そこまでしてMBAを取得することに疑問を抱く向きも少なくない。
こうした中、授業料が約半分で取得期間も1年で済む、専門分野に特化した「専門修士号(MS)」の人気が高まっている。米誌フォーブスなどによれば、「金融修士号」や「会計修士号」に加え、会社のマネジメントに特化した「MiM」と呼ばれる修士号が注目株という。
「MBAバブル-学位取得の問題点」の著書がある女性評論家、マリアンナ・ザネッティ氏(40)は「(MBAを)取得するに越したことはない。ただ、今の時代は専門の知識とスキルが必要。MBAコースは、ゼネラリストの養成にとどまっている」と辛口の見解を示した。