カテゴリー別アーカイブ: 留学の路コラム

目標と学校選び

前回の投稿(2月5日)ではMBA取得後の目標を考える上での要点について述べました。今回はそうした目標の書き方と学校選びとの関係性について述べたいと思います。いざ、自分の目標を書き始める際は、「〇〇産業のリーディング企業で働いて、△△に関する社会問題の解決に貢献したい」というような漠然とした内容の記述は避けましょう。そこで、MBA取得後に就きたい役職、勤めたい会社を具体的に挙げてはいかがでしょうか。その役割や組織(会社)を目指すのか、コンテンツに反映させてください。特に短期目標を具体的に考えることで、MBA教育を通して得たいことも明らかになり、進学希望校を探すリサーチ活動も効率的に進めやすくなると思います。

そして、MBA取得後の目標を示す時には、自らが蓄積してきたスキル、強み、経験について述べ、それらが短期目標を決定することにつながったかを示し、進学希望先の学校が目標達成するために必要なすべてを提供することができることを示します。たとえば具体的な授業内容、授業以外の活動、校風(カルチャー)、ネットワーキング機会など、すべてが、このプログラムが目標達成に必要なスキルを身につけるための最良の方法であるという主張を裏付けます(学校リサーチの量が主張の質を左右します)。

MBA取得後の目標とエッセイ

2/1の投稿の際には目標と価値観について言及しました。MBA受験用のエッセイは基本的にi) キャリア目標型、ii) 強み型、iii) パーソナル型に分類されます。ここでは、i)のタイプについて述べたいと思います。
「キャリア目標型エッセイ」には、i) 短期目標、ii) 長期目標(学校によっては中期目標)、iii) それらの目標を持つに至った背景(経緯)や動機、iv) それら(目標)を裏付ける過去の職業経験、そして、v) MBA取得後の仕事を通した周囲へ与えうる効果が含まれることが必要です。それらの目標(短期~長期目標)は、出願者がMBA取得後に活躍する姿を審査官に想像させるための必須な情報です。特に短期目標を考える際は、MBAを取得した直後の活躍する姿を考えてみましょう。長期目標では、最終的に自分の分野で達成したい地位(5年~10年後の自分から、キャリアの終わりの自分も含むなど、その表現方法が自由です)です。さらに、上述の i) からv)の項目に加え、進学希望先のプログラムの教育リソーソをどう活用して目標を達成するかという青写真を示さなければなりません。この点はエッセイのみならず、面接試験の際にも問われることを想定した上で準備していきましょう。いろいろと目まぐるしく変化する昨今の事情を考えると、あえて目標を漠然としたものにしたくなるかもしれません。時には、「自分の目標が何なのか分からないからこそ、ビジネススクールに行きたいんです!」という意見もあります。審査官は、ビジネスを取り巻く事情の変化により、出願者の目標も変わる可能性があることは承知しています。しかし、審査官は、出願者がMBA教育で得たことを、この先どう適切に応用していくことができるのかを、現時点で確認したい気持ちを抱いていることを共有いたします。

諦めない気持ち

昨年末に元受講生(2022年秋入学)の方より近況報告のメールを頂戴しました。そして、そのメールには受験体験記と書かれたファイルが添付されていました。その体験記を拝読した後、諦めずに自が掲げた目標に向かって実行し続ける精神力の大切さを再認識しました。上記の体験記は当学院の「受講生の声:受講生の声043」ページにてご確認いただけます。よろしければ、ぜひご一読ください。
https://www.affinity-english.com/testimonial/index.html

私自身、文学に明るい人間ではありませんが、様々なジャンルの本を読む中で、気に入ったフレーズがあるとそれをメモに書き残しておきます。そうしたフレーズの中にはヘルマンヘッセの詩の一節も含まれています。その一節には、
No matter how far you dream, it’s within reach as long as you believe in the possibilities.

と書かれています。2024年入学に向けて準備をスタートした受験生はもちろんのこと、来月以降の3rdラウンド出願に向けてテストの再受験や書類の作成に従事している方々もいらっしゃると思います。最後まで諦めずに合格を目指して頑張ってください!

MBA取得後の目標と価値観

早いもので2月を迎えました。特に先月は私費で海外ビジネススクールへの進学を希望する方々から相談が寄せられました。受験生にとって、希望するスクールへ入学し、卒業後の目標を達成する際に必要な知識(ファイナンスや経営戦略論など)を習得し、これまでのキャリアを通して培った経験や能力を存分に発揮できる職に就くことはもちろん大切なことですが、私は常に、「どのような人生を送りたいのか?」という自らの願望を実現するための留学であってほしいと願っております。そうした留学の先に位置する願望と向き合うことで、価値観(自分が大切にしていること)を再認識することにつながります。そして、MBA受験用のエッセイ課題では価値観に対して問われることも珍しくはありません。

そして、その価値観に基づき、MBA取得後に何をしたいのか、なぜしたいのか、そのために何を学ばなければならないのか、などを考えてみましょう。

自分にとってのMBA留学とは?

数ヶ月前、ニュースウィークサイトから下記の記事を見つけました。記事の題名は、「経営陣はみな修士号や博士号を持ってます」家庭を犠牲にしてMBAを取るべき?です。
https://www.newsweekjapan.jp/help_wanted/2022/11/mba.php

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<大学院に行かなければ数万ドルの節約になるのですが……>

Q:この15年間IT業界でスキルを磨いた苦労が報われ、仕事も私生活も充実しています。夫も私も転職に成功して収入が増え、毎月401k(確定拠出型年金)に上限まで拠出し投資信託を購入しても、まだ余裕があります。

でも1つ不安があります。そろそろ勤め先の幹部候補になれる年齢なのに、大卒の学歴では難しいんじゃないかと思うんです。MBA(経営学修士)の取得は何度も考えましたが、大学院に行かなければ数万ドルの節約になります。うちは子供が小さく、2人目も考えています。勉強するには家族の時間を犠牲にしなくてはなりません。

またGMAT(経済大学院入学全国共通テスト)ですぐに高得点を取る自信はなく、受験勉強の段階でさらに時間とお金の投資が必要になるかも。でも勤務先の経営陣はみな修士号や博士号を持っています。20代のうちに無理をしてでも取っておけばよかった。長期的な収入にMBAは影響しますか?

── 将来の稼ぎが気になる女
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A:専門家の意見を聞きましょう。ダニエラ・フロレスは副業を応援するウェブサイト「アイ・ライク・トゥ・ダブル」の主宰者。あなたと同じIT業界で働きながら、修士号なしで戦略的に収入を増やしてきました。

まずMBAは出世に「必要」ではないそうです。フロレスいわく「MBAが絶対に必要なのは、目指すポジションが取得者限定で、本人も学位を取りたい場合のみ」。今後も現在の会社や業界で働きたいなら、目標の地位にいる人に指導を仰いで。勤務先に奨学金などの支援制度があるかどうかも調べましょう。ただし学位が収入アップにつながるとは限らず、大学院以外でもスキルは学べます。グーグルもキャリアアッププログラムを提供しています。

「MBAが必須条件であるポジションを狙い、そのせいで家族との時間が犠牲になるなら、キャリア自体を変えたほうがいい」と、フロレスは勧めています。

──アシーナ・バレンタイン(コラムニスト、スレート誌人生相談員)

©2022 The Slate Group

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上述の例が全ての日本人アプリカントに該当することは無いと思いますが、キャリアの節目にさしかかっていることが読み取れる次第です。「働く人のためのキャリア・デザイン」(書籍)という当方の愛読書の中で、著者である金井教授はキャリアについて以下のように述べております。

「人生における節目の時には、強く意識すべきものがキャリアである」

まさに、留学は皆さんのキャリアの「節目」ですね。過去、現在、そして留学後(未来)の時間軸をどう結び付けながら、皆さんはこの先のキャリアをデザインしていきますか?

このデザインする過程で大切なことは、価値観、やりがい、興味、関心、優先度などを自らがしかと把握することだと思います。これらは、自分が何かを決める際の基準です。それらを把握するためにも、これまでの経験の中でも、自分が成長するにあたっての決定的な瞬間、分岐点、最も誇りに思う業績、克服した課題に関係する実例を考えてはいかがでしょうか?

時間が経過するにつれて、やらなければならない準備作業も増え、じっくりと過去の経験と掘り下げる時間が取れそうにもない・・・と個々の気持ちにも焦りが生じがちです。こうした時にこそ、時間をとって、「自分にとってのMBA留学」について考えてみませんか?

2024年MBA留学(2023年出願)に向けたスケジュール

1/15 (日)に今年初となるMBA出願準備セミナーを実施し、多くのアプリカントの方々にご参加いただきました。MBAに出願する際の最大の難関は、やるべきことをすべて自分のスケジュールに組み込むことになります。仕事はもちろん、ご家庭の事情で、自由な時間が制限される中、出願書類の準備を進めていくことに対して不安を覚える方々もいらっしゃると思います。当日のセミナーでは、これから対応する項目(下記をご参照)をリストアップしました。既に2024年入学に向けた出願作業は始まっており、第一回目の締め切り日(通称:1stラウンド)までは7か月弱となります。まずは、自らの現状を把握し、実現可能なスケジュールを作成し、進捗状況をフォローすることが肝要かと思います。

◆出願準備項目(例)

  • 英語力判定試験 (ex. IELTS / TOEFL)の選択と対策
  • 学力判定試験( GMAT / GRE/ Executive Assessment)の選択と対策
  • MBA卒業後のキャリア目標
  • キャリアの棚卸し
  • 英文レジュメの作成
  • 出願候補先に関する調査
  • 出願校の選定
  • 学校説明会への参加
  • 学校訪問
  • 学校関係者(在校生・卒業生)からの情報収集
  • エッセイ課題の分析
  • エッセイ課題の草案作成→見直し
  • 推薦状課題の分析
  • 推薦者候補の選定→依頼→作成
  • 願書(アプリケーションフォーム)入力
  • 出願スケジュールの策定
  • 面接対策( グループ面談、ビデオインタビュー含)

エッセイの準備

9月も中盤に差し掛かり、1月出願に向け、エッセイの作り込みに関する相談も増えてきました。実際に受験生の話に耳を傾ける中で、自らがイメージするエッセイを書き上げたいものの、そのためにはどういった手順で作業を進めるべきか?という内容が最も多く寄せられます。まずは、i) エッセイ課題を把握、ii) 課題内容を分析し、iii) 回答に必要な実例、整理した情報を準備し、iv)アウトラインを考え、v)書き始めるといった一連の作業を段階ごとに考えていただいております。上記に挙げた作業過程ではブレインストーミングや出願校に関する情報を収集など、状況に応じた作業が生じることもあると思います。

自分が思い描くエッセイへと仕上げるためにも、一気に書こうとせず、まずは取り組むべき段階的な目標を設定してみませんか?

 

キャリアゴール型エッセイ:LBS Essay Question

いざ、エッセイを書き始めようと思いきや、何から手を付ければ・・・と迷ってしまうことがあると思います。エッセイの質問にはいくつか種類がありますが、本日はキャリアゴール型エッセイについて考えてきたいと思います。

ESSAY 1. What are your post-MBA plans and how will your prior experience and the London Business School programme contribute towards these? (500 words)

London Business Schoolは、長年に渡り同校はこの質問を出題し続けています。まずは、この質問に対してどうアプローチをすれば良いか一緒に考えてみましょう。

問われている内容は以下の通りです。

• MBA取得後の短期目標

• MBA取得後の長期目標

• MBA教育が上記目標を実現するために必要な理由
→その理由を痛感した当時のことを思い返してみましょう。

• LBSの教育が上記目標を実現するために最適である理由
→同校に対する深い知識をアピールするためにも、まずは下記のサイトから得られる情報を参考に、i) 特定のクラス、ii) 実践機会、iii) クラブ活動、iv) 教授, v) その他のキャンパス内外の取り組みを調べてみましょう。
Programme content | MBA | London Business School

さらには、卒業や在校生の方々との交流から取得した情報が進学希望理由へと影響する場合は、その情報をもとに理由をかきまとめてみましょう。

エッセイを書き始める前には、まずは各質問内容を分析し、問われていることを把握してください。そして次に、アウトラインを考えていきましょう。

出願校の選択について

先月から都内各所で学校説明会が開催されるなど、皆さんも出願を検討している学校の関連情報を収集している真っ只中かと思います。そして、テストスコアやMBA取得後のキャリアパスに関する情報を基に出願校に関する相談機会も増えてきました。

そこで、代表的な選択項目を挙げたいと思います。

・ランキング(ブランド力)
・立地条件
・費用
・卒業までの期間
・校風
・ネットワーキング機会
・カリキュラム(専門性)
・テストスコア

出願先を決定する際に、様々なビジネススクールランキングに依存し過ぎることはご注意ください。ランキングは有用な情報ツールですが、ランキングの特性や算出方法を理解しませんと、世間が定めた「ベストスクール」という定義を受け入れてしまうことにもなります。私は相談を通して、アプリカントの方々自身にとっての選定基準を定めていただけることを強く願うと同時にサポートをしてまいります。

キャリアの節目と留学

Affinity英語学院の佐取です。徐々にではありますが、秋の気配を感じるこの頃ですね。ここ最近では、セカンドラウンド出願に向けた書類準備に関する相談件数が増えてきました。そこで本日は、キャリアと留学について触れてみたいと思います。

「働く人のためのキャリア・デザイン」(書籍)という愛読書の中で、著者である金井教授はキャリアについて以下のように述べております。

人生における節目の時には、強く意識すべきものがキャリアである

まさに、留学は皆さんのキャリアの「節目」ですね。過去、現在、そして留学後(未来)の時間軸をどう結び付けながら、皆さんはキャリアをデザインしていきますか?

デザインする過程で大切なことは、価値観、やりがい、興味、関心、優先度など当の本人だけが把握することだと思います。これらは、自分が何かを決める際の基準です。それらを把握するためにも、これまでの経験の中でも、自分が成長するにあたっての決定的な瞬間、分岐点、最も誇りに思う業績、克服した課題に関係する実例を考えてみてはいかがでしょうか。

8月も後半にさしかかりますと、やらなければならないことも増え、過去の経験と向き合う時間が取れそうにもない・・・と気持ちも焦りがちです。そうした時にこそ立ち止まって、そうした時間をとってはいかがでしょうか。私は、MBA受験とは自己発見のプロセスであると思っております。