月別アーカイブ: 2016年12月

OG 2017 #669(#2) 後半

The Official Guide for GMAT Review 2017 with Online Question Bank and Exclusive Video

Affinity英語学院の飯島哲也です。

OG 2017(緑)p.682の#669(#2)の解説(後半)をお届けします。

(C)はnot…but…構文の代わりにnot…rather…という形になっていますが、このような語法(not… rather…)は存在しませんので、(C)は×。このあたりは「語法・イディオム」の領域であって、覚えるしかないのです。

例:
○ Cathy is not a singer but a dancer.
× Cathy is not a singer rather a dancer.

続いて(D)です。(D)は

not (as an expense), but (as an investment)

と、2組の前置詞句(as+名詞)がnot…but..構文の中で並列になっているので正解になり得ます。よって、(D)も保留。

この時点で(B)と(D)が正解になりえる選択肢として「生き残って」います。このような状態の場合は、私だったら次に(E)を見ます。そして、生き残った選択肢の間の吟味は、5つの選択肢全てを眺めた後にするのが飯島流です。まずは「一次予選」で明らかにダメなものを切り、次の「二次予選」で生き残った選択肢間でさらなる検討をすればよいのです。

さあ、次は(E)です。(E)は

not (in terms of expense), but (an investment)

という形になっており、notの後には前置詞句(in terms of +名詞)が来ているのに、butの後にはいきなり名詞(an investment)が来ているので、並列ではありません。よって(E)は×。

以上が「一次予選」でして、生き残っているのは(B)と(D)です。(B)と(D)は共に理屈の上ではありえるので、かなり苦しい選択です。

(B) as not expense but an investment

(D) not as an expense, but as an investment

(B)ではexpenseという名詞に冠詞がついていません。つまり(B)のexpenseは不可算名詞として使われているに対して、(D)のexpenseには”an”という不定冠詞がついているので、(D)のexpenseは可算名詞としての用法であることが明確です。

オックスフォード現代英英辞典では、expenseという名詞の可算・不可算両方の用法が紹介されています。

Running a car is a big expense.(車を走らせることは多大なる出費である。)→可算名詞の用法

The garden was transformed at great expense.(その庭は多大なる費用をかけて変容された。)→不可算名詞の用法

これら2つの例文でも分かる通り、意味と使い方の違いは微妙です。よって、(B)と(D)をこの論点で解くのは難しいかもしれません。私の「感覚」では”an expense”の方が、この問題文の意味に沿っていて、かつ自然な英語である「気」がするのですが、あくまで「感覚」なのです。私はそれなりに英語力があるので、最悪「なんとなく」「感覚」で解いてしまうこともありますが、皆様は極力理屈やテクニッで解くように心がけてください。ではどうするか?

並列構造の視点から考えて、(D)のように”an expense”と”an investment”という2つの可算名詞が並んでいる方が、(B)のように”expense”という不可算名詞”an investment”という可算名詞が並んでいるよりも「形がきれい」ではあります。形がきれいな選択肢の方が正解になる可能性は高いので、ダメ元で(D)を選ぶこともできます。ただし、前回の「前半」の解説でも示した通り、(B)のように可算名詞と不可算名詞が並列になることも文法的にはあり得るので注意してください。

最後にもう1つの論点をご紹介します。

(B)だと、”as”という前置詞を「共通因数でくくりだし」て、2つの名詞を並べているのに対して、(D)は”as”という前置詞をくくりださずに2回表記しています。

例文で考えると、(B)は

Bob comes from not Spain but France.

と同じような形をしており、(D)は

Bob comes not from Spain, but from France.

と同様の形をしています。

これらの2つの文は理屈上はどちらでも良いのですが、一般的には、並列構造や比較においては、後者のように前置詞を繰り返す方が好まれます。(SCのダメ元テクニック)

たとえば

I have lived in both Mexico and Brazil.

よりも

I have live both in Mexico and in Brazil.

の方が正解になる可能性が高いのです。

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OG 2017 #669(#2) 前半

The Official Guide for GMAT Review 2017 with Online Question Bank and Exclusive Video

Affinity英語学院の飯島哲也です。

OG 2017(緑)p.682の#669(#2)です。
OG 2017においては、この問題がSCの2番目の問題なので、便宜上#669(#2)と表記させていただきます。

この問題では、not (1) but (2) ((1)ではなく(2)である)という並列構造が問われています。

(1)と(2) の部分には同じ品詞(例:名詞と名詞)が必要とされまます。たとえば、

Cathy is not a singer but a dancer.(キャシーは歌手ではなくてダンサーである。)

という文は、 (1)と(2) の部分に共に名詞がおかれているので、文法的に正しいのです。

選択肢(A)は”not an expense, but as an investment”という文構造になっています。notの後に名詞がきているので、butの後にも名詞が必要とされるのに、実際には”as”という前置詞がおかれていますので、文法的に正しくありません。よって(A)は×です。

選択肢(B)はnotの後に”expense”が、そしてbutの後には”an investment”がきています。investmentという言葉は前に”an”という冠詞がついているので名詞であると判断できます。GMATにおいては、不定冠詞”a”や”an”の後におかれている言葉は名詞であると判断してよいのです。つまり、”a happy”(a+形容詞)とか”a eat”(a+動詞)のような、文法的にありえない形が選択肢の中に登場することは基本的にはないのです。よって”an investment”のような形を目にしたら、仮に意味を知らなくても「investmentは名詞なのだろう」と推測してよいのです。このような部分においては「敵」(出題者)は信用しましょう。私のGMAT SCは、このように分析や駆け引きを大切にします。

同様に、”expense”という単語も品詞分析に迷うかもしれませんが、選択肢(A)の中に”an expense”という冠詞(an)を伴った形が使われているので、”expense”も名詞なのだろうと判断しても概ねよいのです。

つまり、選択肢(B)においては名詞と名詞が並列になっていると判断できるので、正解候補なのです。よって、私ならば(B)はいったん保留し、残りの選択肢を見に行きます。

ちなみに、(B)を「butの後の名詞には”an”という冠詞がついていのに、notの後には冠詞がない」という理由で「並列構造違反」と判定し、(B)を切る方がいるのですが、これはやや危険です。名詞と名詞が並んでいる構造(並列構造)においては、「単複(数)」や「可算・不可算」が揃っている必要はありません。たとえば、

I have an apple and two oranges.(私はりんご1つとオレンジ2つを持っている。)

であれば、andという接続詞が単数名詞(an apple)と複数名詞(two oranges)を並べていますが、もしこれが文法違反だと言われたら何も言えなくなってしまいますよね?(苦笑)また、

I have some milk and an apple.(私はいくらかの牛乳とりんご1つを持っている。)

であれば、andという接続詞が不可算名詞(milk)と可算名詞(apple)を並べていますが、これも文法的に全く問題がありません。

選択肢(B)は

not expense but an investment

となっており、仮に”expense”が不可算名詞だとすると、十分にあり得る形なのです。(不可算名詞は、冠詞をつけずに使うことができます。) この時点で、expenseという名詞が可算名詞だという絶対の自信があれば(B)を切ってもよいのですが、自信がなければ(B)は保留して、その他の選択肢と見比べる方が無難です。

このように、私のSCは「極力知識に頼らない」姿勢で解きます。もちろん、細かい知識は多いに越したことがないのですが、人間の暗記には限界があります。また、近年SCは「語法軽視」の傾向があり、語法やイディオムの知識でスイスイと選択肢を切れることができにくくなっているのです。そいいう意味でも、Affinity流の「知識に頼らず、分析やテクニック中心に解く」姿勢を学んでいただきたいのです。

というわけで、ここまでの解説において(A)を切り、(B)は保留しました。解説の続きは次回お届けします。

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